東京高等裁判所 昭和62年(行コ)45号 判決 1988年3月28日
新潟県南魚沼郡六日町大字六日町二一一六番地
控訴人
岡村秀太郎
右訴訟代理人弁護士
荒井尚男
新潟県小千谷税市東大通
被控訴人
小千谷税務署長
村中健一
右指定理人
林菜つみ
同
竹野清一
同
下山保司
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
第一当事者の求めた裁判
1 控訴人
(一) 原判決を取り消す。
(二) 被控訴人が昭和五三年二月二日付けでした控訴人の昭和四七年分所得税の更正(税額一〇六万二一〇〇円)のうち税額七三万三〇〇〇円を超える部分及び重加算税賦課決定(税額八万一六〇〇円)を取り消す。
(三) 被控訴人が昭和五三年七月三日付けでした控訴人の昭和四八年分所得税の更正(税額七四〇万三二〇〇円)のうち税額六五七万七一〇〇円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定(税額六一〇〇円)及び重加算税賦課決定(税額一九八万六九〇〇円を取り消す。
(四) 被控訴人が昭和五三年七月三日付けでした控訴人の昭和四九年分所得税の更正(税額一二二万三一〇〇円)のうち税額四七万二九〇〇円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定(税額一万四九〇〇円)及び重加算税賦課決定(税額一三万五〇〇〇円)を取り消す。
(五) 被控訴人が昭和五三年七月三日付けでした控訴人の昭和五〇年分所得税の更正(税額五七三万四五〇〇円)のうち税額一七〇万七一〇〇円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定(税額四万七二〇〇円)及び重加算税賦課決定(税額九二万四六〇〇円)を取り消す。
(六) 被控訴人が昭和五三年七月三日付けでした控訴人の昭和五一年分所得税の更正(税額六二二万七一〇〇円)のうち税額二一一万八一〇〇円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定(税額四万〇六〇〇円)及び重加算税賦課決定(税額九八万八五〇〇円)を取り消す。
(七) 被控訴人が昭和五四年六月二日付けでした控訴人の昭和五二年分所得税の更正(税額四四万二六〇〇円及び特別減税額マイナス二万一〇〇〇円)のうち税額マイナス四万四四〇〇円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定(税額二万三三〇〇円)を取り消す。
(八) 控訴費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
2 被控訴人
控訴棄却
第二当事者の主張及び証拠
当事者双方の事実上の陳述に、証拠関係は、次につけ加えるほか、原判決事実摘示及び記録中の当審における証拠目録記載のとおりであるから、ここにこれを引用する。
原判決書六枚目表末行中「別表0-Ⅰの二」を「別表0-Ⅰの二」に、同裏一二行目中「一一一万一二二一円」を「一〇九万一二一二円」に、同一四枚目裏一行目中「幸一」を「幸市」に、同一六枚目表末行中「砕右」を「砕石」に、同一七枚目表一行目中「一一月」を「二月」に、同二〇枚目裏八行目中「別表k-Ⅰ」を「別表k-Ⅰの三」に、同二三枚目裏一一行目中「五月」を「六月」に改め、同別表Dの二の一四行目中「納入するについて」の、同一五行目中「手数料とし」の、同二三行目中「金融相談料とし」の各下に「て」を、別表Dの三の一三行目中「手数料とし」の下に「て」を、別表Dの四の一〇行目中「原石採取料とし」の、同二五行目中「賃貸料とし」の各下に「て」を加え、別表Fの一行目中「更生」を「更正」に改める。
理由
一 当裁判所も本件各処分は適法であるから控訴人の本訴請求は理由がないと判断するものであり、その理由は、次につけ加えるほか、原判決理由説示と同一であるから、ここにこれを引用する。
1 原判決書二六枚目表二行目中「の一」の下に「及び原審証人渡辺克己の証言」を、同七行目中「二」の下に「(ただし郵便官署作成部分の成立について争いがない。)」を加え、同九行目中「原告」を「原審並びに当審における控訴人」に改め、同二七枚目裏九行目中「の一」の下に「及び原審証人渡辺克己の証言」を加え同二八枚目表二行目中「幸一」を「幸市」に改め、同裏一〇行目中「前掲」の下に「乙」を加え、同二九枚目裏三行目中「倒産しているおり」を「倒産しており」に、同三〇枚目表三行目中「原告」を「原審並びに当審における控訴人」に改め、同五行目から六行目におけて「ないだけで」を削り、同三一枚目裏一一行目中「(日歩一七銭)」の下に「ないし月八分」を加え、同三二枚目表一〇行目中「という」を「など同人が個人的に」に、同三三枚目表一行目中「交付人」を交付先」に、同裏三行目中「原告」を「原審並びに当審における控訴人」に改める。
2 同三五枚目表一行目中「同和商事有限会社」を「有限会社同和信用商事(以下「同和商事」という。)」に改め、同二行目中「同第一四号証、」の下に「当審における控訴人本人尋問の結果により成立を認める甲第七〇ないし第七二号証」を加え、同三行目中「原告」を原審並びに当審における控訴人」に改め、同六行目及び八行目中「有限会社」を削り、同一一行目中「代わって」の下に「同和商事に」を、同行中「弁済し」の下に「同社から大和建材が差し入れていた手形の返還を受け」を、同三五枚目裏一二行目中「証拠はない。」の下に「なお、控訴人は、当審における本人尋問において原審における供述内容を変え、同和商事から返還を受けた手形三通額面合計三三〇万円(甲第七〇ないし第七二号証」が未決済である旨供述するが、右手形三通は前記約束手形四通が交付され、あるいは決済された時点で控訴人において大和建材に返還すべきであったのにこれをせず引続き所持していたものと認められるから、控訴人の右供述は措信できない。」を加え、同末行中「有限会社」を削る。
3 同三六枚目表八行目中「乙第一三号証」の下に「(後記認定に反する部分を除く。)」を加え、同裏一〇行目中「安藤武」を「川上秀之」に、同三七枚目表七行目中「大津建設」を「大和建材」に、同末行中「原告」を「原審並びに当審における控訴人」に改め、同三八枚目表一〇行目中「回収が不能であると」の下に「確定的に」を加える。
4 同三九枚目表一一行目中「原告」を「原審並びに当審における控訴人」に、同四〇枚目裏一一行目から一二行目にかけて「昭和五二年一〇月一五日頃」を「昭和五一年一〇月二〇日までの間に」に、同四一枚目裏九行目中「原告」を「原審並びに当審における控訴人」に、同四二枚目表一一行目中「そうすると」を「仮にそうだとすると」に、同裏一一行目中「原告は」を「仮に控訴人において」に、同一二行目中「いることが認められ」を「いたとすると」に改め、同四三枚目表四行目中「乙第七号証」の下に「大蔵事務官清水利雄作成部分につきその方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真成な公文書と推定され、佐野虎松作成部分につき弁論の全趣旨によりその成立が認められる乙第四〇号証」を加え、同六行目中「昭和四七、八年頃には」を「昭和四七、八年頃から」に、同七行目中「出したこともあったが」を「出すようになったが」に改め、同行中「業務は継続され」の下に「前記のとおり佐野生コン及び条栄商事に対する骨材販売代金をもって高額な砂利砕石プラント代金を支払つ」を、同八行目中「昭和五二年度の」の下に「後半には経営が逼迫してきたが」を、同一〇行目中「いること、」の下に「昭和五三年に入ってからも取引先に対し砂利、骨材等を納入して営業を続けていたこと、」を、同末行中「証拠はない。」の下に「なお、当審における控訴人本人尋問の結果及びこれにより成立を認める甲第七三ないし第九七号証によれば、控訴人は米山又は大和建材に金員を貸し付けた際に受領した約束手形及び小切手を多数所持していることが認められるけれども、そのうち昭和五一年中に満期が到来した手形については、さきに認定したようにすでに清算済みであるのに控訴人においてこれを返還せず所持していたものと認める余地があり、昭和五二年になってから振り出され同年中に満期が到来した手形についても控訴人において満期を書き替えることにより利息を徴収して支払の延期に応じているものがあることが認められるのであって、いずれにしても前記認定を妨げるものではないというべきである。また、第三者が振り出し米山又は大和建材が裏書をしている手形については、振出人の資産や負債の状況が判然としないから手形が不渡りになったことだけから直ちに債権の回収が確定的に不能になったということもできない。」を、同裏三行目中「支払不能」の下に「が確定的」を加える。
5 同四六枚、表三行目中「受け」の下に「同社の資金繰りを担当す」を加え、同裏六行目中「倒来」を「到来」に、同四七枚目表一二行目中「原告」を原審並びに当審における控訴人」に改め、同四九枚目裏三行目中「記名押印」の下に「(買主については大和建材の代表者である米山寿太郎名義で)」を、同五〇枚目表三行目中「購入するにつき」の下に「控訴人を介して」を、同五一枚目裏一行目中「三」の下に「<1>の」を、同七行目中「原告」を「原審並びに当審における控訴人」に改め、同八行目中「尋問」の下に「の結果」を加え、同一〇行目中「倒来」を到来」に改め、同五二枚目表一〇行目中「求償債権」の下に「の発生」を加え、同五五枚目裏四行目中「原告」を「原審並びに当審における控訴人」に、同五八枚目裏四行目中「(4)」を「4」に、同別表K-Ⅱの四の標題中「大和建財」を「大和建材」に改める。
二 したがって、控訴人の本訴請求を棄却した原判決は相当であって、これが取消しを求める本件控訴は理由がない。
よって、本件控訴を棄却し、訴訟費用の負担につき行訴法七条、民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 館忠彦 裁判官 牧山市治 裁判官 小野剛)